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2006年03月09日

■前集151項

水不波則自定、鑑不翳則自明。
故心無可清。
去其混之者而清自現。
楽不必尋。
去其苦之者而楽自在。

水は波たたざれば則(すなわ)ち自(おのず)から定まり、鑑(かがみ)は翳(くも)らざれば、おのずから明らかなり。
故に心は清くすべき無し。
其の之を混(にご)らす者を去(のぞ)かば、清(せい)自(おの)ずから現わる。
楽しみは必ずしも尋ねず。
其の之を苦しむる者を去(のぞ)かば、楽しみ自(おの)ずから在(そん)す。

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■前集152項

有一念而犯鬼神之禁、一言而傷天地之和、一事而醸子孫之禍者。
最宜切戒。

一念にして鬼神の禁を犯し、一言にして天地の和を傷(やぶ)り、一事(いちじ)にして子孫の禍いを醸(かも)す者有り。
最も宜しく切に戒(いまし)むべし。

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■前集153項

事有急之不白者、寛之或自明。
毋躁急以速其忿。
人有操之不従者、縦之或自化。
毋操切以益其頑。

事、之を急にして白(あきら)かならざる者(もの)有り、之を寛(ひろく)せば、或(ある)いは自(おのず)から明(あき)らかならん。
躁(さわ)ぎ急(いそ)ぎ以て其の忿(いか)りを速(いそぐ)くこと毋(なか)れ。
人、之を操(と)りて従(したが)わざる者有り、之を縦(はな)てば或(ある)いは自(おの)ずから化せん。
操(と)ること切(せつ)にして以て其の頑(がん)を益(ま)すこと毋(なか)れ。

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■前集154項

節義傲青雲、文章高白雪、若不以徳性陶鎔之、終為血気之私、技能之末。

節義は青雲に傲(おご)り、文章は白雪よりも高きも、若(も)し徳性(とくせい)を以て之を陶鎔(とうよう)せざれば、終(つい)に血気の私(し)、技能(ぎのう)の末と為(な)らん。

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■前集155項

謝事当謝於正盛之時、居身宜居於独後之地。
謹徳須謹於至微之事、施恩務施於不報之人。

事を謝(しゃ)するは、当(まさ)に正盛(せいせい)の時に謝(しゃ)すべく、身を居(お)くは宜しく独後(どくご)の地に居(お)くべし。
徳を謹(つつ)しむは、須(すべか)らく至微(しび)の事を謹しむべく、恩を施すは務めて報(ほう)ぜざるの人に施(ほどこ)せ。

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■前集156項

交市人不如友山翁。
謁朱門不如親白屋。
聴街談巷語、不如聞樵歌牧詠。
談今人失徳過挙、不如述古人嘉言懿行。

市人(しじん)に交わるは、山翁(さんおう)を友とするに如かず。
朱門(しゅもん)に謁(えつ)するは、白屋(はくおく)に親しむに如かず。
街談巷語(がいだんこうご)を聴くは、樵歌牧詠(しょうかぼくえい)を聞くに如かず。
今人(きんじん)の失徳過挙(しっとくかきょ)を談(だん)ずるは、古人の嘉言懿行(かげんいこう)を述(の)ぶるに如かず。

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■前集157項

徳者事業之基。
未有基不固而棟宇堅久者。
心者後裔之根。
未有根不植而枝葉栄茂者

徳(とく)は事業(じぎょう)の基(もとい)なり。
未だ基固(もとい)固(かた)からずして棟宇(とうじ)の堅久(けんきゅう)なる者有らず。
心(こころ)ある者は、後裔(こうえい)の根なり。
未だ根(ね)の植(た)たずして枝葉(えだは)の栄茂(えいも)する者有らず。

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■前集158項

前人云、抛却自家無尽蔵、沿門持鉢効貧児。
又云、暴富貧児休説夢、誰家竃裡火無烟。
一箴自眛所有、一箴自誇所有。
可為学問切戒。

前人(ぜんじん)云(い)う、「自家(じか)の無尽蔵(むじんぞう)を抛却(ほうきゃく)して、門に沿(そ)い鉢(はち)を持ちて貧児(ひんじ)に効(なら)う」と。
また云(い)う、「暴富(ぼうふ)の貧児(ひんじ)、夢を説(と)くことを休めよ、誰(た)が家の竃裡(そうり)か火に烟(けむり)無(な)からん」と。
一(いつ)は、自(みずか)らの所有(しょゆう)に昧(くら)きを箴(いまし)め、一(いつ)は、自(みずか)ら所有(しょゆう)に誇(ほこ)るを箴(いまし)む。
学問(がくもん)の切(せつ)なる戒(いまし)めと為(な)すべし。

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■前集159項

道是一重公衆物事、当随人而接引。
学是一個尋常家飯、当随事而警Α

道(どう)は是れ一重(いっちょう)の公衆(こうしゅう)の物事(ぶつじ)なり、当(まさ)に人に随(したが)いて接引(せついん)すべし。
学(がく)は是れ一個(いっこ)の尋常(じんじょう)の家飯(かはん)なり、当(まさ)に事に随いて警Α覆韻い討)すべし。

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■前集160項

信人者、人未必尽誠、己則独誠矣。
疑人者、人未必皆詐、己則先詐矣。

人を信ずる者は、人(ひと)未(いま)だ必ずしも尽(ことごと)く誠(まこと)ならざるも、己(おのれ)は則(すなわ)ち独(ひと)り誠(まこと)なり。
人を疑う者は、人(ひと)未(いま)だ必ずしも皆(みな)詐(いつわ)らざるも、己(おのれ)則(すなわ)ち先(ま)ず詐(いつわ)れり。

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■前集161項

念頭寛厚的、如春風煦育。
万物遭之而生。
念頭忌刻的、如朔雪陰凝。
万物遭之而死。

念頭(ねんとう)の寛厚(かんこう)なるは、春風(しゅんぷう)の煦育(くいく)するが如し。
万物(ばんぶつ)は之(これ)に遭(あ)いて生ず。
念頭(ねんとう)忌刻(きこく)なるは、朔雪(さくせつ)の陰凝(いんぎょう)するが如し。
万物は之に遭(あ)いて死す。

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■前集162項

為善不見其益、如草裡東瓜。
自応暗長。
為悪不見其損、如庭前春雪。
当必潜消。

善を為(な)すも其の益を見ざるは、草裡(そうり)の東瓜(とうか)の如し。
自(おの)ずから応(まさ)に暗(あん)に長(ちょう)ずべし。
悪を為(な)すも其の損を見ざるは、庭前(ていぜん)の春雪(しゅんせつ)の如し。
当(まさ)に必(かなら)ず潜(ほそか)に消(き)ゆべし。

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■前集163項

遇故旧之交、意気要愈新。
処隠微之事、心迹宜愈顕。
待衰朽之人、恩礼当愈隆。

故旧(こきゅう)の交(まじわり)に遇(あ)いては、意気(いき)愈(いよいよ)新(あら)たなるを要(よう)す。
隠微(いんび)の事(こと)に処(しょ)するは、心迹(しんせき)宜(よろ)しく愈(いよいよ)顕(あきらか)なるべし。
衰朽(すいきゅう)の人(ひと)を待(まつ)には、恩礼(おんれい)当(まさ)に愈(いよいよ)隆(さかん)にすべし。

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■前集164項

勤者敏於徳義。
而世人借勤、以済其貧。
倹者淡於貨利。
而世人仮、倹以飾其吝。
君子持身之符、反為小人営私之具矣。
惜哉。

勤(きん)は徳義(とくぎ)に敏(つと)む。
而(しか)るに世人(せじん)は勤(きん)を借(か)りて以(もつ)て其の貧(ひん)を済(すく)う。
倹(けん)は貨利(かり)に淡し。
而(しか)して世人(せじん)は倹(けん)を仮(か)りて以て其の吝()りんを飾(かざ)る。
君子(くんし)、身(み)を持(じ)するの符(ふ)は、反(かえ)りて小人(しょうじん)の私(わたし)を営(いとな)むの具(ぐ)と為(な)れり。
惜(お)しいかな。

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■前集165項

憑意興作為者、随作則随止。
豈是不退之輪。
従情識解悟者、有悟則有迷。
終非常明之橙。

意(い)の興(おこ)るに憑(よ)りて作為(さくい)する者は、随って作(な)さば則(すなわ)ち随(したが)って止(や)む。
豈是(あにこれ)不退(ふたい)の輪(りん)ならんや。
情(じょう)の識(し)るに従って解悟する者は、悟ること有(あ)らば則(すな)ち迷(まよ)うこと有(あ)り。
終(つい)に常明(じょうみょう)の橙(ともしび)に非(あら)ず。

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■前集166項

人之過誤宜恕、而在己則不可恕。
己之困辱当忍、而在人則不可忍。

人の過誤(かご)は宜しく恕(ゆる)すべきも、而(しか)も己(おのれ)に在(あ)りては則(すなわ)ち恕(ゆる)すべからず。
己(おのれ)の困辱(こんじょく)は当(まさ)に忍(しの)ぶべきも、而(しか)も人に存(あ)りては則(すなわ)ち忍ぶべからず。

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■前集167項

能脱俗便是奇。
作意尚奇者、不為奇而為異。
不合汚便是清。
絶俗求清者、不為清而為激。

能(よ)く俗(ぞく)を脱(だっ)すれば、便(すなわ)ち是れ奇なり。
意(い)を作(な)して奇(き)を尚(とうと)ぶ者は、奇と為(な)さずして異(い)と為(な)す。
汚(けがれ)に合(がっ)せざれば、便(すなわ)ち是れ清(せい)なり。
俗(ぞく)を絶(た)ちて清(せい)を求(もと)むる者(もの)は、清(せい)と為(な)さずして激(げき)と為す。

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■前集168項

恩宜自淡而濃。
先濃後淡者、人忘其恵。
威宜自厳而寛。
先寛後厳者、人怨其酷。

恩(おん)は宜(よろ)しく淡(たん)自(よ)りて濃(のう)なるべし。
濃(のう)を先(さき)にし淡(たん)を後(あと)にするは、人(ひと)其の恵(めぐみ)を忘(わす)る。
威(い)は宜(よろ)しく厳(げん)自(よ)りして寛(かん)なるべし。
寛(かん)を先(さき)にして厳(げん)を後(あと)にするは、人(ひと)其の酷(こく)を怨(うら)む。

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■前集169項

心虚則性現。
不息心而求見性、如撥波覓月。
意浄則心清。
不了意而求明心、如索鏡増塵。

心(こころ)虚(むな)しければ則(すなわ)ち性(しょう)現(あら)わる。
心を息(とど)めずして性(しょう)を見(み)んことを求(もと)むるは、波(なみ)を撥(ひら)きて月(つき)を覓(もと)むるが如(ごと)し。
意(い)浄(きよ)ければ則(すなわ)ち心(こころ)清(きよ)し。
意(い)を了(りょう)ぜずして心(こころ)を明(あき)らかにせんことを求(もと)むるは、鏡(かがみ)を索(もと)めて塵(ちり)を増(ま)すが如し。

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■前集170項

我貴而人奉之、奉此峨冠大帯也。
我賤而人侮之、侮此布衣草履也。
然則原非奉我、我胡為喜。
原非侮我、我胡為怒。

我(われ)貴(とうと)くして、人、之れを奉(ほう)ずるは、此の峨冠大帯(がかんだいたい)を奉(ほう)ずるなり。
我(われ)賤(いや)しくして、人、之れを侮(あなど)るは、此の布衣草履(ふいそうり)を侮(あなど)るなり。
然(しか)らば、則(すなわ)ち原(もと)より我(われ)を奉(ほう)ずるに非(あら)ず、我(われ)胡為(なんす)れぞ喜(よろこ)ばん。
原(もと)より我(われ)を侮(あなど)るに非(あら)ず、我、胡為(なんすれぞ怒(いか)らん。

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■前集171項

為鼠常留飯、憐蛾不点燈。
古人此等念頭、是吾人一点生生之機。
無此便所謂土木形骸而已。

「鼠(ねずみ)の為に常に飯(めし)を留め、蛾(が)を憐(あわ)れみて燈(ともしび)を点(つ)けず」。
古人の此等(これら)の念頭(ねんとう)は、これ吾人(ごじん)の一点の生々(せいせい)の機(き)なり。
此れ無ければ、便(すなわ)ち所謂(いわゆる)土木(どぼく)の形骸(けいがい)のみ。

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■前集172項

心体便是天体。
一念之喜、景星慶雲。
一念之怒、震雷暴雨。
一念之慈、和風甘露。
一念之厳、烈日秋霜。
何者少得。
只要随起随滅、廓然無碍。
便与太虚同体。

心体(しんたい)は、便(すなわ)ち是れ天体(てんたい)なり。
一念(いちねん)の喜(よろこ)びは、景星慶雲(けいせいけいうん)なり。
一念の怒(いか)りは、震雷暴雨(しんらいぼうう)なり。
一念の慈(いつく)しみは、和風甘露(わふうかんろ)なり。
一念の厳(きび)しさは、烈日秋霜(れつじつしゅうう)なり。
何者(なにもの)か少(か)き得(え)ん。
只(ただ)、随(した)って起(おこ)り随(したが)って滅(めっ)し、廓然(かくぜん)として碍(さわり)無(な)きを要(よう)せば、便(すなわ)ち太虚(たいきょ)と体(たい)を同(おな)じくす。

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■前集173項

無事時心易昏冥。
宜寂寂而照以惺惺。
有事時心易奔逸。
宜惺惺而主以寂寂。

事(こと)無(な)きの時(とき)は、心(こころ)、昏冥(こんめい)し易(や)すし。
宜(よろ)しく寂寂(せきせき)にして、照(てら)すに惺惺(せいせい)を以(もつ)てすべし。
事(こと)有(あ)るの時(とき)は、心(こころ)、奔逸(ほんいつ)し易(や)すし。
宜しく惺惺(せいせい)にして、主(しゅ)とするに寂寂(せきせき)を以(もつ)てすべし。

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■前集174項

議事者、身在事外、宜悉利害之情。
任事者、身居事中、当忘利害之慮。

事(こと)を議(ぎ)する者(もの)は、身(み)、事の外(そと)に在(あ)りて、宜(よろ)しく利害(りがい)の情(じょう)を悉(つく)すべし。
事に任(にん)ずる者は、身、事の中に居(あ)りて、当(まさ)に利害の慮(おもんぱかり)りを忘(わす)るべし。

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■前集175項

士君子、処権門要路、操履要厳明、心気要和易。
毋少随而近腥羶之党、亦毋過激而犯蜂蠍之毒。

士君子(しくんし)、権門要路(けんもんようろ)に処(お)らば、操履(そうり)は厳明(げんめい)なるを要(よう)し、心気(しんき)は和易(わい)なるを要(よう)す。
少(わず)かも随(ほしいまま)にして腥羶(せいせん)の党(とう)に近づくこと毋(なか)れ、亦(また)過激(かげき)にして蜂蠍(ほうたい)の毒(どく)を犯(おか)さるること毋(なか)れ。

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■前集176項

標節義者、必以節義受謗、榜道学者、常因道学招尤。
故君子不近悪事、亦不立善名、只渾然和気、纔是居身之珍。

節義(せつぎ)を標(ひょうする)する者(もの)、必ず節義をもって謗(そしり)りを受け、道学(どうがく)を榜(ぼう)する者、常(つね)に道学に因(よ)りて尤(とがめ)を招(まね)く。
故(ゆえ)に君子(くんし)、悪事(あくじ)に近づかず、亦(また)善名(ぜんめい)を立てず、只(ただ)渾然(こんぜん)たる和気(わき)のみ。
纔(わず)かに是(こ)れ身(み)を居(お)くの珍(ちん)なり。

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■前集177項

遇欺詐的人、以誠心感動之、遇暴戻的人、以和気薫蒸之、遇傾邪私曲的人、以名義気節激礪之。
天下無不入我陶冶中矣。

欺詐(きき)の人(ひと)に遇(あ)わば、誠心(せいしん)を以(もっ)て之(これ)を感動させ、暴戻(ぼうれい)の人(ひと)に遇(あ)わば、和気(わき)を以(もっ)て之(これ)を薫蒸(くんじょう)せしめ、傾邪私曲(けいじゃしきょく)の人に遇(あ)わば、名義気節(めいぎきせつ)を以て之(これ)を激礪(げきれい)す。
天下(てんか)、我が陶冶(とうや)の中(なか)に入らざること無し。

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■前集178項

一念慈祥、可以醞醸両間和気、寸心潔白、可以昭垂百代清芬。

一念(いちねん)の慈祥(じしょう)は、以(もっ)て両間(りょうかん)の和気(わき)を醞醸(うんじょう)すべく、寸心(すんしん)の潔白(けっぱく)は、もって百代(ひゃくだい)の清芬(せいふん)を昭垂(しょうすい)す(べし)。

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■前集179項

陰謀怪習、異行奇能、倶是渉世的禍胎。
只一個庸徳庸行、便可以完混沌而召和平。

陰謀怪習(いんぼうかいしゅう)、異行奇能(いこうきのう)は、倶(とも)に是れ世を渉(わた)る禍胎(かたい)なり。
只(ただ)一個(いっこ)の庸徳庸行(ようとくようとう)のみ、便(すなわ)ち以て混沌(こんとん)を完(まっと)し、和平(わへい)を召(まね)くべし。

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■前集180項

語云、登山耐側路、踏雪耐危橋。
一耐字極有意味。
如傾険之人情、坎坷之世道、若不得一耐字撑持過去、幾何不堕入榛莾坑塹哉。

語(ご)に云(い)う、「山に登りては脇路(そくろ)に耐(た)え、雪を踏んでは危橋(ききょう)に耐(た)う」。
一(いつ)の耐(たい)の字(じ)、極めて意味有り。
傾険(けいけん)の人情(にんじょう)、坎坷(かんか)の世道(せどう)の如(ごと)きも、若(も)し一(いつ)の耐(たい)の字(じ)を得(え)て、撑持(とうじ)し過ぎ去らずば、幾何(いくばく)か榛莾坑塹(しんぼうこうざん)に堕入(だにゅう)せざらんや。

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■前集180項

語云、登山耐側路、踏雪耐危橋。
一耐字極有意味。
如傾険之人情、坎坷之世道、若不得一耐字撑持過去、幾何不堕入榛莾坑塹哉。

語(ご)に云(い)う、「山に登りては脇路(そくろ)に耐(た)え、雪を踏んでは危橋(ききょう)に耐(た)う」。
一(いつ)の耐(たい)の字(じ)、極めて意味有り。
傾険(けいけん)の人情(にんじょう)、坎坷(かんか)の世道(せどう)の如(ごと)きも、若(も)し一(いつ)の耐(たい)の字(じ)を得(え)て、撑持(とうじ)し過ぎ去らずば、幾何(いくばく)か榛莾坑塹(しんぼうこうざん)に堕入(だにゅう)せざらんや。

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