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■前集60項

富貴名誉、自道徳来者、如山林中花、自是舒徐繁衍。
自功業来者、如盆檻中花、便有遷徙廃興。
若以権力得者、如瓶鉢中花。
其根不植、其萎可立而待矣。

富貴名誉(ふきめいよ)の、道徳より来たる者は、山林の中の花の如(ごと)く、自(おのず)からこれ舒徐繁衍(じょじょはんえん)す。
功業より来たる者は、盆檻(ぼんかん)の中の花の如(ごと)く、便(すなわ)ち遷徙廃興(せいんしはいこう)あり。
若(も)し、権力をもって得たる者は、瓶鉢(へいかつ)の中の花の如(ごと)し。その根植(ねう)えざれば、其の萎(ちじ)むこと、立ちて待つべし。

徳を積んだ結果で得られた富貴や名誉は、大自然に咲く花のように、自然で自由自在で伸びやかに茂る。
これに対して、事業の成功で得られた富貴や名誉は、盆栽や花壇の花のように、人の心次第で枯れたり、間引きされたりする。
さらに、権力により得た富貴や名誉は、花瓶の切花のように根が無く、直ぐに枯れてしまう。
つまり、下心を持たずに淡々と出来上がっている社会の評価は永遠だが、事業の成功などによる評価は不自然で、況や権力で得た評価など一瞬の評価にしか過ぎないということ。
言い換えれば、活人は、成り上がり者ではなく、地に足を着けた堅実な人間ということになる。
慧智(030606)