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■後集8項

人解読有字書、不解読無字書。
知弾有絃琴、不知弾無絃琴。
以迹用、不以神用、何以得琴書之趣。

人(ひと)は有字(うじ)の書(しょ)を読(よ)み解(かい)するも、無字(むじ)の書(しょ)を読(よ)むを解(かい)せず。
有絃(ゆうげん)の琴(きん)を弾(だん)ずるを知(し)りて、無絃(むげん)の琴(きん)を弾(だん)ずるを知(し)らず。
迹(あと)を以(もつ)て用(もち)い、神(かみ)を以(もつ)て用(もち)いずば、何(なに)を以(もつ)てか琴書(きんしょ)の趣(おもむき)を得(え)ん。

俗人は、文字で書かれた書物を読んで理解するが、文字の無い書物を読んでも理解は出来ない。
また、弦の張られた琴を弾くことは出来ても、弦の無い琴を弾くことは出来ない。
俗人は、具体的な文字や弦というものは信じるが、心という抽象的なものを信じられないなら、どうして琴や書の本当の価値が理解できるだろうか。
つまり、音楽や文章の行間に埋め込まれた、音に出来ない音や文字に出来ない文字を理解して初めて達人、賢人と呼ばれるのだろう。
言い換えれば、現役を越えて、聞こえない音を聴き、見えない文字を読めるように時間を有効に使い、日日精進することが達人の嗜みだということだろう。
慧智(030708)