■前集143項
士君子貧、不能済物者。
遇人癡迷処、出一言提醒之、遇人急難処、出一言解救之。
亦是無量功徳。
士君子(しくんし)貧(ひん)なれば、物(もの)を済(すく)うこと能(あた)わざる者なり。
人の癡迷(ちめい)の処(ところ)に遇(あ)わば、一言(いちげん)を出して之を提醒(ていせい)し、人の急難(きゅうなん)の処(ところ)に遇(あ)わば、一言を出してこれを解救(かいきゅう)す。
亦(また)是れ無量(むりょう)の功徳(くどく)なり。
立派な人というものは得てして貧乏なので、経済的に他人を救うことは出来ない。しかし、愚かにも迷っている人に会えば、一言で目を覚ませ、苦境に喘いでいる人に会えば、一言で救ってあげられる。
これもまた、計り知れない社会貢献なのだ。
つまり、人を救うことが出来いるのは「金や物」ではなく、「智慧」のみである。
言い換えれば、金や物は、人を狂わす魔物であり、智慧は人を奮い立たせてこそ菩薩なのだ。
翻って言えば、活人が長く幸せでありたいなら、銀行や証券会社に行くのではなく、高僧のいる寺に駆け込めということだ。なお、愚僧は傍にいるだけで不愉快になるから、あくまで高僧なのだ。
慧智(030622)