■前集141項
鋤奸杜倖、要放他一条去路。
若使之一無所容、譬如塞鼠穴者。
一切去路都塞尽、則一切好物倶咬破矣。
奸(かん)を鋤(す)き、倖(こう)を杜(た)つには、他の一条の去路(きょろ)を放(はな)つを要す。
若(も)し之れをして一(いつ)も容(い)るる所(ところ)無(な)からむるは、譬(たと)えば鼠穴(そけつ)を塞(ふさ)ぐが者の如し。
一切(いっさい)の去路(きょろ)、都(すべ)て塞(ふさ)ぎ尽(つ)くせば、則(すなわ)ち一切の好物は倶(とも)に咬(か)み破(やぶ)られん。
悪人を排除し、胡麻摺り者と絶縁するには、一本の逃げ道を用意してやることが必要だ。
もし、逃げ道を断ち、只の一箇所も身の置き場を無くしたら、それはネズミの通り道をふさぐのと同じだ。
全ての逃げ道を全てふさいでしまえば、本当に大事なもの全てを食いちぎられてしまう。
つまり、悪党でもとことん追い込めば、「窮鼠、猫を噛む(塩鉄論)」ように、何をしでかすか解らないので、下衆な者の悪さの追及はそこそこにしておけ、ということ。
言換えると、活人は何事に付け深追いを謹めということ。
慧智(030622)