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■前集134項

父慈子孝、兄友弟恭。
縦做倒極処、倶是合当如此。着不得一毫感激的念頭。
如施者任徳、受者懐恩、便是路人、便成市道矣。

父は慈(じ)、子は孝(こう)、兄は友し、弟は恭す。
縦(たと)い極処(きょくしょ)に做(な)し到るも、倶(とも)に是れ、合当(まさ)に此(かく)の如(ごとく)なるべく、一毫(ごう)の感激の念頭(ねんとう)も着け得(え)ざれ。
如(も)し施す者は徳に任じ、受くる者は恩を懐(おも)わば、便(すなわ)ち是(こ)れ路人(ろじん)にして便(すなわ)ち市道(しどう)と成(な)らん。

父は子を慈しみ、子は父に孝行し、兄は弟を友愛し、弟は兄を敬愛する。
たとえ、それが理想的に出来たとしても、それは当たり前のことで、ことさら感激に値しない。
もし、それを行った方が満足感を得たり、受けた方が有難た味を感じたら、それは他人同士であり、世間的な付き合いになってしまう。
つまり、家族には如何なる場合も、貸し借りの意識を感じず、愛を基盤にしていなければ他人も同然なのだということ。
言い換えれば、活人は家族との関係を特別な関係としてはならないのだ。
慧智(030520)